日本一周クルーズの費用はどのくらい?豪華客船の値段やかかる日数も解説

日本一周クルーズは老後に一度は憧れる旅行ですが、実際にいくらかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、日本一周クルーズの平均費用や、有名な豪華客船の日数、費用などを紹介します。費用を抑える方法もあわせて解説するため、参考にしてください。
日本一周クルーズとは

日本一周クルーズは、豪華客船で日本の主要港を巡る旅行の形です。「日本一周」といっても全ての港に寄港するわけではなく、9日〜2週間程度かけて北海道や神奈川などの主要港に立ち寄ります。
船上からの景色や下船先での観光を時間をかけて楽しめることから、老後を迎えたシニア層に人気です。また、最近はラグジュアリーな豪華客船だけでなく、カジュアルなクルーズ船も増え、20〜30代の一人旅や夫婦のハネムーン利用が増加しています。
日本一周クルーズの魅力

日本一周クルーズには、通常の旅行にはない五つの魅力があります。
お得に旅をすることができる
日本一周クルーズは高額に思われがちですが、実際にはお得に旅をすることができます。
一般的なクルーズ旅行の費用は、宿泊費、食事代、移動費などの費用が含まれた「オールインクルーシブ」と呼ばれる形式です。例えば10日間30万円の日本一周クルーズの場合、宿泊費・1日3食の食費・移動費用を含めて1日3万円で済むことになります。
また、一般的なクルーズ船内ではプールやジムなどの娯楽施設を無料で利用でき、プランによってはダンスなどのアクティビティに追加料金なしで参加することも可能です。プランにさまざまな施設の利用やアクティビティが含まれていることを考えると、かなりお得だといえるでしょう。
移動による体への負担が少ない
日本一周クルーズの大きな魅力の一つは、移動による体への負担が軽減されることです。
通常の旅行では、目的地ごとに電車やバス、飛行機などを乗り換えなくてはなりません。重い荷物を持ったままの移動は、老後の夫婦旅行や老後の一人旅、子連れ旅行の大きな負担となります。
一方、日本一周クルーズでは一度船に乗り込めば荷物の移動は不要です。客室が「動くホテル」となり、荷物を広げたままで日本各地を移動できます。船の揺れは最新の技術によって最小限に抑えられていることが多いため、陸路や空路での移動と比べると体への負担が少なくなるでしょう。
移動時間も有意義に使える
移動時間さえ有意義に使えるのが、日本一周クルーズの魅力です。
豪華客船にはさまざまな施設やアクティビティが用意されているため、移動中も存分に楽しめます。スパやプールでリラックスし、ショーやカジノ、料理教室などを満喫するのもよいでしょう。
三世代でゆったりと旅行を楽しめる
日本一周クルーズは、子供や孫とくつろぎながら旅行を楽しめることも魅力の一つです。
船内には、子供向けのプレイルームや大人向けのラウンジ、シニア向けのカルチャー講座など幅広い年齢層に対応したアクティビティや娯楽が用意され、家族全員が自分の興味に合わせて楽しめます。
また、日本一周クルーズは荷物の移動が少なく、高齢者や小さな子供連れの家族への負担が少ないことも利点です。時間や心にゆとりが生まれ、家族全員でリラックスして旅行を満喫できるでしょう。
他の乗客と交流できる
日本一周クルーズでは他の乗客と交流できるため、老後の夫婦旅行はもちろん、一人旅にもおすすめです。
船で長い日数を過ごすと、食事の際にテーブルが近くなったときやデッキで景色を眺めているときに自然と他の乗客との交流が生まれます。また、船内で開催されるイベントやアクティビティを通じて、共通の趣味を持つ人と出会うチャンスもあるでしょう。
日本一周クルーズの費用

日本一周クルーズの費用は、船のランクや日数などで大きく変わります。
ツアー費用の平均は35万円
日本一周クルーズのツアー平均費用は、ひとり35万円です。ただし、実際にはさまざまな要因によって20万円から100万円以上までと費用は幅広くなっています。
費用に含まれるものとそうでないものはツアー内容によって異なりますが、一般的には以下の通りです。
クルーズのツアー費用に通常含まれるもの
- 船内での宿泊費用
- 船内での食事代(アルコール飲料や特別なレストランでの食事を除く)
- 船内での娯楽やアクティビティの費用
- 港から港への移動費用
クルーズのツアー費用に通常含まれないもの
- 寄港地でのオプショナルツアー費用
- アルコール飲料や特別なレストランでの食事代
- 特別な体験ができる一部の有料施設
- 旅行保険の費用
- クルーズ船までの交通費
- 外国船でのチップ
- 税金(港湾税や政府関係諸税)
35万円は、10日間程度の日本一周クルーズの場合の平均的な費用です。一日に換算すると3.5万円程度となり、宿泊費、食事代、移動費、エンターテインメント費用が全て含まれていることを考えると、お得であるといえるでしょう。
クルーズ船のランクによって費用が異なる
日本一周クルーズの費用は、乗船するクルーズ船のランクによってさまざまです。一般的に、クルーズ船は以下の3ランクに分類されます。
クルーズ船の一般的なランク | |||
---|---|---|---|
ラグジュアリークラス | プレミアムクラス | カジュアルクラス | |
船の規模 | 小型〜中型 | 中型〜大型 | 大型 |
一泊あたりの費用 | 3万円〜 | 2万円〜 | 1万円〜 |
雰囲気 | 乗客が少なく落ち着いている | 適度に落ち着いている | 大人数でにぎやか |
特徴 | 高品質なサービスを提供 | こだわりの食事やサービスを提供 | 娯楽施設が充実 |
ランクによって旅行費用が大きく変わるため、旅の予算と求めるサービスレベルを比較しながら選びましょう。
同じクルーズ船でも客室によって費用が変わる
日本一周クルーズの費用は、同じクルーズ船でも選択する客室のタイプによって大きく異なります。一般的な客室のタイプは、以下の四つです。
クルーズ船の客室タイプ | |||
---|---|---|---|
メリット | デメリット | ||
スイート客室 | 部屋が広い 執事付きなど特別サービス付き |
高額 | |
バルコニー付き客室 | 潮風を感じられる | やや高額 | |
海側オーシャンビュー客室 | 自然光が入ってくる | バルコニーがない | |
インサイド客室 | リーズナブル | 窓がない 部屋が狭い |
選択の際は値段だけでなく、客室での過ごし方を考えるとよいでしょう。例えば「部屋でゆったり過ごしたい」「特別なサービスを受けたい」といった場合は、上位クラスがおすすめです。一方、景色を楽しみたいだけなら客室でなくデッキでも可能なため、安い客室を選ぶと費用を節約できます。
日数や距離によって費用が異なる
日本一周クルーズの費用を大きく左右するのが、日数や距離です。一般的に、クルーズの日数が長くなるほど総額は高くなりますが、一日あたりの費用は安くなる傾向があります。また、寄港地が増えると燃料費が増加するため、航行距離が長くなるほど高くなるのが一般的です。
有名な日本一周クルーズの費用

日本一周クルーズには、さまざまなツアーがあります。ここでは、有名な日本一周クルーズの費用について紹介します。なお、本記事で紹介する日本一周のツアーの値段は2024年11月現在のものであり、時期によって変動する可能性があるため注意してください。
飛鳥Ⅱ
飛鳥Ⅱは日本を代表するラグジュアリーな豪華客船です。費用が他の船に比べて高い分、上質なサービスを受けられます。質の高い優雅な旅を求める方に向いており、老後にゆったりと日本一周旅行を楽しみたいシニア世代に人気です。
飛鳥Ⅱの日本一周クルーズの費用
- 【スイート客室】:13日間約176万円〜(一泊あたり約14万円〜)
- 【スタンダード客室】:13日間約84万円〜(一泊あたり約7万円〜)
にっぽん丸
「にっぽん丸」は「食のにっぽん丸」と評され、旬の食材を活用した料理が魅力です。海の幸や寄港地で仕入れる新鮮な食材を取り入れ、季節感あふれるメニューを提供しています。大きすぎず、ちょうどよい規模の中型船のため、船内の移動も便利です。
にっぽん丸の日本一周クルーズの費用
- 【スイート客室】:9日間約125万円〜(一泊あたり約15万円〜)
- 【スタンダード客室】:9日間約50万円〜(一泊あたり約6万円〜)
ダイヤモンドプリンセス号
ダイヤモンドプリンセス号は、リーズナブルな価格で日本一周を楽しめるカジュアルクラスの大型客船です。インターナショナルな食事や華やかなショーなど海外船らしい楽しみ方ができると同時に、日本語対応スタッフも多数乗船している安心感があります。
ダイヤモンドプリンセス号の日本一周クルーズの費用
- 【スイート客室】:11日間約37万円〜(一泊あたり約3.7万円〜)
- 【スタンダード客室】:11日間約17万円〜(一泊あたり約1.7万円〜)
クイーンエリザベス号
クイーンエリザベス号は、英国の優雅な雰囲気を手軽に楽しめるイギリスの豪華客船です。英国の伝統を感じられる格調高い船内ですが、意外にもリーズナブルな価格となっています。ドレスアップして楽しむイベントもあり、優雅な船旅にぴったりです。
クイーンエリザベス号の日本一周クルーズの費用
- 【スイート客室】:11日間約67万円〜(一泊あたり約6.7万円〜)
- 【スタンダード客室】:11日間約21万円〜(一泊あたり約2.1万円〜)
MSCベリッシマ
MSCベリッシマは、比較的リーズナブルな価格で日本一周を楽しめるカジュアルクラスの大型客船です。ウォータースライダーやシアター、アスレチックなど子供が喜ぶ娯楽が充実しており、ファミリー層に人気があります。
MSCベリッシマの日本一周クルーズの費用
- 【スイート客室】:11日間約73万円〜(一泊あたり約7.3万円〜)
- 【スタンダード客室】:11日間約21万円〜(一泊あたり約2.1万円〜)
日本一周クルーズの費用を抑える方法

日本一周クルーズは、しっかりと計画を立てれば費用を抑えることが可能です。
早期割引を利用する
日本一周クルーズの費用を抑えたい場合、早期割引を利用するとよいでしょう。値段はクルーズ会社や旅行会社によって異なりますが、半年前〜1年前に予約すると10%〜30%程度割引されることがあります。
直前割引で申し込む
旅行日程にこだわらない場合は、直前割引を活用しましょう。出発の数日前〜1ヶ月前に空き客室がある場合、大幅な割引が適用されて通常の値段よりも安く旅を楽しめることがあります。
連休や夏休み期間を避ける
日本一周クルーズの費用を抑えるもう一つの方法は、繁忙期を避けることです。夏休みやGWは需要が高くなり、クルーズ料金が高額になる傾向があります。逆にGW明けや夏休み明け、お正月明けは比較的安くなる可能性が高いでしょう。
日本一周クルーズの注意点

日本一周クルーズは魅力的な体験ですが、初めての方は注意も必要です。ここでは、ツアー内容や持ち物に関する三つの注意点を紹介します。
オールインクルーシブでないツアーもある
多くの日本一周クルーズはオールインクルーシブ形式ですが、全てのクルーズがそうとは限りません。例えば食べ物の料金は含まれていても、飲み放題のオプションが別途必要な場合もあります。ツアー代金に何が含まれているのかを事前に確認しましょう。
ドレスコードを確認する
ハイクラスの豪華客船や海外のクルーズ船では、夕食時や特別なイベントの際にドレスコードが設定されていることがあります。ドレスコードを守らないと一部のレストランやイベントに参加できない場合があるため、事前に確認しておきましょう。
船酔い対策をする
クルーズ船は大型で比較的安定していますが、海の状況によっては揺れることがあります。楽しい旅行が台無しにならないように、事前の対策が重要です。持ち物リストに船酔い対策グッズを入れ、疲れや睡眠不足など船酔いの原因になりそうなことをなるべく減らしておきましょう。
日本一周クルーズで人生最高の思い出を作りましょう

この記事のまとめ
- 日本一周クルーズの費用はひとり平均35万円
- クルーズ船の旅はオールインクルーシブが多い
- ツアー費用は船のランク・客室・日数などによって異なる
- 日本一周クルーズは移動の負担が少なく、老後の一人旅や夫婦旅に向いている
- 早期割引や直前割引、GWや夏休み期間を避けて利用すると費用を抑えられる
日本一周クルーズは陸路や空路での旅とは違った体験ができ、人生の大切な思い出となるはずです。費用やサービス内容を調べて自分にとって最適なプランを選び、特別な体験を通じて最高の思い出を作りましょう。