お役立ち情報③
身内が亡くなったあと、手続きをすればもらえるお金(未支給年金・葬祭費・埋葬料など)がある一方、出ていくお金をストップさせる手続きも必要になります。具体的には電気・ガス・水道などの公共料金、固定電話や携帯電話、インターネットなどの通信費、NHKの受信料などです。気をつけなければならないのは、これらの料金を支払っていた口座の名義人が亡くなるとすぐに凍結され、引き落としができなくなってしまうということです。支払いが滞ると何かと面倒なことになるので、契約者名を変更する、支払い方法(引き落とし口座など)を変更する、あるいは利用を停止するなどの手続きをできるだけすみやかに行いましょう。契約者名義の変更手続きだけなら窓口に行かなくても、ホームページや電話でできるものも多いので、まずは連絡をしてみましょう。検針票や請求書に記載されている「お客さま番号」がわかればスムーズに手続きができます。
亡くなった方がLINEやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSを利用しているケースもこれから増えると思われます。遺族としては、亡くなったことを公表し、運営者に問い合わせるなどをして閉鎖手続きを行いましょう。そうしないと亡くなったことを知らない人たちがコメントなどを投稿し続けることになりますし、個人情報の悪用にも繋がりかねません。また、携帯電話を利用して動画視聴や音楽、ゲームなどの月額課金サービスを利用している場合があるので、お近くの各通信会社のショップで早めに確認をしましょう。
亡くなった方の携帯電話やパソコンなど、遺品となったデジタル機器に保存されたデータやネット上の登録情報などを「デジタル遺品」といいます。デジタルカメラ、ハードディスク、USBメモリー、DVDなどを含め、スマホやネットが普及した現代ならではの遺品であり、今後さらに増えていくものと考えられます。デジタル遺品の取り扱いが難しいのは、SNSのアカウント、写真や動画、ネット銀行の情報、IDやパスワードなど情報が多岐にわたること。セキュリティ性能が向上しているため、IDやパスワードがわからなければ第三者には開けません。たとえばアドレス帳が開けないために交友関係がわからず、お葬式の案内が出せない、ネット銀行やネット証券の取り引きの有無や状況がわからないといった問題が生じます。IDやパスワードが不明な場合、現状では専門業者に依頼するくらいしか手段がありません。それが面倒だからと放置すると、個人情報の流出やなりすましなどのトラブルを招く可能性があります。最近では一定期間更新がない場合、自動的にファイルを削除する「死亡時自動削除ソフト」も登場していますが、本人が存命のうちに詳しく聞いておくか、エンディングノートに記載しておいてもらうことが最善の策となります。
エンディングノートの活用
本人が存命のうちに聞く
契約・サービス | 手続き先 | 手続き | 必要書類など | |
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公共料金 | 電気 | 契約電力会社 | 契約者名・支払方法の変更、利用停止 | ・契約者名の変更はホームページや電話でできる ・検針票や請求書に記載されている「お客さま番号」を準備しておくとスムーズ ・利用料金の引き落とし口座の変更は別途 |
ガス | 契約ガス会社 | |||
水道 | 市区町村役場 | |||
NHK受信料 | NHK受信料窓口 | |||
固定電話 | NTT東日本 | 加入権承継 (利用休止・一時中断・解約もできる) |
・所定の「承継・改称届出書」(ホームページからダウンロード可) ・死亡の事実と相続関係が確認できる書類 ・新契約者の印鑑 |
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NTT東日本 | ||||
携帯電話 | 通信会社 | 承継 解約 |
[承継] ・相続関係がわかる書類・承継者の本人確認書類 ・毎月の支払手続きに必要な書類 [解約] ・死亡を証明する書類・利用者のSIMカード ・来店者の本人確認書類など |
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インターネット | プロバイダー | 解約 | 電話やインターネットで行える | |
マイナンバーカード | 住民票がある市区町村役場 | 返却 | 死亡届と同時に失効するが、基本的にカードは返却する | |
印鑑登録証 | 住民票がある市区町村役場 | 返却 | 死亡届と同時に失効するが、基本的にカードは返却する | |
運転免許証 | 最寄りの警察署 運転免許センター |
返却 | ・亡くなった人の運転免許証 ・届出人の本人確認書類 ・届出人と故人の関係を証明する書類 ・死亡を証明する書類 |
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パスポート | 都道府県の申請窓口 パスポートセンター |
返却 | ・亡くなった人のパスポート ・死亡を証明する書類 |